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付加価値基準における救済ルール

付加価値基準で考えたとき、その基準を満たさない、ギリギリなので不安が残る、そんな場合は、少しでも原産割合を上げたいところです。

そんなとき使える救済ルールとして、ロールアップ・累積・トレーシング、という3つの方法があります。それぞれ、どんな方法か見ていきましょう。

CTCルールを使う場合や、VAルールでも一般的な計算方法で十分に要件を満たす場合はこのページに書いてあるような面倒くさいことは考慮する必要はございません。

ロールアップとは?

例えば、以下のように100ドルで日本産として売りたい商品があった場合を見てみましょう。

(仮に40%がクリア基準とします)

日本原産としたい商品 価格内訳【100ドル】 日本原産部品の内訳 日本原産部品の価格の内訳
日本産部品 25ドル 日本原産材料  10ドル
人件費等経費  8ドル
外国産材料  7ドル
外国産部品 55ドル    
人件費等経費+利益 20ドル    

このように、日本産部品の中に、外国産(非原産)材料が含まれている場合の考え方として、通常、完成品価値の100ドルから差し引かれるのは上の表の赤文字部分になります。

こうなると、100ドルのうち、日本が加えた価値は100-(55+7)=38ドル分(38%)ということになります。40%に満たなくなってしまい、このままだと、この商品は日本原産ではない、と判断されてしまいます。

ここで使う救済措置がロールアップ

完成品の前に、日本の部品(上の表の緑の文字)の部分の「日本原産性」を確定させるのです。

部品だけを見ると、25ドルのうち、日本での付加価値と認められるのは25分の18

割合にすると72%なので「これは日本原産である」と言えます。

こうすることで、そこに含まれる7ドルを考慮しなくてよくなり、この完成品に日本が加えた付加価値は100-55=45ドル(45%)ということになり、無事、40%を超えているので、この完成品は日本原産として認められます。

ロールアップを使う際の証明の仕方

ロールアップとは簡単に言えば、まず、日本で付けた部品の部分のみを完成品と考えてVAルルに基づいて計算して、その部品をまるごと日本原産と確定してしまうこと。

なので、それらの部品の内訳の値段を証明する必要があります。

例えばその部品を仕入れたときの請求書などが証明書類に当たるでしょう。

トレーシングとは?

こちらは、原材料を海外から輸入して、日本の別の工場で一時加工をした部品を最終工場が仕入れて使用し、完成品を作った場合を考えます。

【例】完成品の値段1000ドル ・付加価値基準:40%

  価額
非原産性の部品 外国から輸入した部品(日本の港に来た時の値段)

550ドル

日本の別工場で一時加工して付加された価格 200ドル
最終工場で付加された価格 250ドル

上の表のような価格内訳の完成品があったとします。

このとき、赤い文字の部分(外国産の部品だけれど、日本国内で上乗せされた価格)の分をどうするべきか、という問題があります。

外国産部品の一部だから外国産(非原産部分)だ、とするならば、国内付加価値は25%ということになり、要件を満たさないのでアウトです。

日本国内で加工された結果なのだから原産部分だ、とするならば、国内付加価値は45%ということになり、基準をクリアします。

トレーシングとロールダウン

外国産部品だから非原産に含むという考え方を、「ロールダウン」と呼び、日本での付加価値(原産部分)だという考え方をトレーシングと呼びます。

※ややこしいですが、ロールダウンとセットなのはトレーシング。ロールアップは上記で説明したように全く別の考え方です。

トレーシングかロールダウンかによって、ここまで付加価値に差が出ます。当然、トレーシングのほうが有利なわけです。

だったらロールダウンなんて使う意味ないじゃん、全部トレーシングで良いじゃん

というわけには行かないのです。

どちらを採用するかは、各国とのEPA協定でそれぞれに決まっています。

※トレーシングを採用する際は、その付加価値部分の証明に必要なのは中間で加工をした工場からの「サプライヤー証明」です。サプライヤー証明が必要な場面は主にこれだと思います。

累積

これは相手国との間に二国間とは別に多国間EPA(アセアンEPA)を締結している場合に使われます。

二国間協定と多国間協定が両方存在する場合、どちらか有利な方を使えば良いのです。

EPA協定における原産とは「EPA域内で生産された」ということ、つまり、日本だけではなく相手国で作られたものでも「原産性」があるということになります。

二国間協定で考えると他国産(非原産)になるものでも、多国間協定で考えれば「域内(原産)」になるという原材料があり、そうすることで原産性の基準を満たすのであれば、多国間EPAを使えば良いのです。

ただし、それらをただ単に足し算するのではなく、それぞれの国との基準を満たさないといけなかったり、細かいルールがたくさんあり、うっかりルールの一つを見落として原産基準を満たさなくなってしまった、なんてことも有り得ます。

累積を使う際には、細かいルールをしっかり調べて対処しないといけません。

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